コーポレートカラーの選び方 7つのポイント
前回「ロゴデザイン制作の7つの準備ポイント」として、
ロゴを制作する上での準備ポイントをご紹介しましたが、
今回は、企業やブランドの印象を左右する「色」について、ご紹介したいと思います。
店舗の看板やウェブサイト、名刺、パンフレット…。
あらゆるポイントで使われるコーポレートカラー(企業のイメージカラー)は、
ただのデザイン要素ではありません。
実は色には「感情や印象に訴えかける力」があり、見る人の心に無意識に影響を与えています。
選ぶ色次第で、会社の“信頼感”が強まったり、“楽しさ”や“誠実さ”が印象づけられたりもします。
この記事では、コーポレートカラーやブランドカラーを選ぶ際に意識したい7つの視点を、
色彩心理の考え方も交えながらご紹介します。
これからカラーを決める方も、今あるブランドを見直したい方も、ぜひ参考にしてみてください。
1. 「第一印象」を色で操作する力
人が第一印象を形成するのにかかる時間は、わずか数秒!
その短時間の中で色が与える影響は非常に大きいと言われています。
たとえば…
青は「誠実・安心感」を連想させ、赤は「情熱・行動力」を印象づけます。
色をうまく使えば、「この会社は信頼できそう!」「エネルギッシュなブランドだな!」
といった印象を視覚的にコントロールすることが可能になります。
2. 色の“心理的意味”を理解する
色には文化や経験に根ざした“心理的連想”があります。
例えば日本人にとって、以下のような印象が一般的です
・青:誠実、知性、冷静(金融・IT・医療などに多い)
・赤:情熱、興奮、エネルギー(飲食やスポーツ系に多い)
・緑:自然、調和、安心(環境・福祉・癒し系にマッチ)
・黄色:元気、希望、好奇心(子ども向けやカジュアルブランドに)
・黒・グレー:高級感、格式、無機質(ラグジュアリー・製造業など)
このように、色のもつ“雰囲気”は見る人の感情や記憶に直結しています。
心理的な効果を意識した配色は、ブランドの印象をより強く残す手助けになります。
3. ターゲット層と相性が良いか
色の感じ方は、世代や性別、文化によって異なります。
若年層はポップなカラーを好み、高齢層は落ち着いた色調に安心感を覚える傾向があります。
他にも、女性向けの美容サービスでは柔らかいピンクやベージュ系が、
男性向けのテック系サービスではブルーやダークグレーが好まれやすいです。
「誰に届けたいのか」を踏まえたうえで、ターゲットと親和性のあるカラーを選ぶことで、
ブランドとの距離感を自然に縮めることができます。
4. 業種・事業内容との整合性
業界や事業内容によって、カラーに対する“期待感”があります。
金融業や士業であれば「信頼感」、アパレルなら「トレンド感」、
飲食なら「美味しそうな印象」といった具合です。
〈例〉
・医療系 → 清潔感のあるホワイト・ブルー系
・建設・物流系 → 安定感を感じるブルー・グレー系
・子ども向け → ポップで元気なビビッドカラー
・教育・スクール → 信頼感+柔らかさのある落ち着いたトーン
必ずしも業界の“定番”に従う必要はありませんが、「らしさ」を感じさせる色は、ユーザーとの信頼関係を築きやすくなります。
5. 競合との差別化ができるか
選んだ色が“埋もれてしまう色”であっては、ブランドを認識してもらうのが難しくなります。
そのため、競合他社や同じ業界の色使いをあらかじめ調査しておくことは非常に大切です。
・周囲がブルー系ばかりなら、思い切ってグリーン系を選ぶ
・業界にない色味であえて「違和感」を与えてブランドを印象づける
こういった「差別化のための色選び」は、ブランディングの鍵になります。
6. ロゴやデザイン全体と調和しているか
コーポレートカラーは、ロゴ、Webサイト、印刷物、店舗内装など、あらゆる場所で繰り返し使用されます。そのため、単色だけでなく「補色」「アクセントカラー」も含めたバランスが重要です。
・ロゴに使った色が印刷物に適しているか?
・デジタル媒体でも見やすい明度・彩度か?
・モノクロ変換しても意味が伝わるか?
7. 長期的なブランド展開に耐えられるか
トレンドカラーを取り入れるのも一つの方法ですが、企業のコーポレートカラーは長く使われ続けるもの。10年後、20年後も色褪せず、そのブランドの「顔」として機能し続けられるかを意識しておきましょう。
また、事業拡大やサービス展開が増えていく中で、ベースカラーに調和するサブカラーが設定しやすいかという視点も重要です。
色は、企業の「無言のメッセージ」
コーポレートカラーは、あなたの会社やブランドが「何を大切にしているか」を、言葉を使わずに伝える手段です。
色が持つ力を味方にすれば、見る人にポジティブな印象を残し、ブランドとの距離感を縮めることができます。
「なんとなくの好み」ではなく、意味や心理を理解した上での「戦略的な色選び」を。
それは、これからのブランドづくりの大きな武器になるはずです。
らいふぼーとでは、少人数制だからこそ実現できる丁寧なヒアリングと、
事業への理解を大切にしたデザイン提案を行っています。
ブランドづくりにお悩みの方、色選びに迷っている方は、ぜひお気軽にご相談ください。