税理士や行政書士など士業事務所がホームページから相談・問い合わせ(リード)を獲得するまでの手順を解説します
士業事務所の集客は、手順を守れば個人事務所でも相談が増える。
最初にやるのは広告ではなく、扱う分野と対象を1つに絞ることだ。
次に、その悩みを持つ人が検索する言葉でページを用意する。
この2つを外すと、どれだけデザインを整えても問い合わせは来ない。
正直なところ、私も何度も見てきました。
「ホームページはあるのに、月に1件も相談が入らない」という声を。
守山区で開業した税理士の方が、まさに同じ検索窓に「税理士 集客 できない」と打ち込んでいた。
この記事は、士業がゼロから相談を獲得するまでの手順を、順番どおりに並べたものです。
読み終える頃には「次に何をすればいいか」が1つに定まっているはずです。
【この記事のポイント】
- 士業の集客は「分野の絞り込み→検索語でのページ作成→問い合わせ導線」の順で進める
- 相談は信頼で決まるため、実績や人柄が伝わる情報を先に載せる
- 広告は後回しでよく、まず自力で相談が入る土台を作るのが失敗しない手順
この記事の結論
- 扱う分野と対象顧客を1つに絞ると、検索での勝ちやすさが上がる
- 「相談前の不安」を解消するページが、問い合わせ率を左右する
- 費用は月数万円の維持費から始められ、最初から広告に頼らなくてよい
士業事務所が集客の手順を間違える理由
何でも対応しますが一番刺さらない
士業の方に多いのが「幅広く対応したい」という気持ちです。
相続も、会社設立も、確定申告も、すべて受けたい。
その気持ちは自然です。
ただ、検索する側は「相続に強い税理士」を探しています。
「何でもやる先生」は、検索の言葉にすらなりません。
実は、絞ったほうが依頼は増えます。
ある行政書士の方は「建設業許可」だけに看板を張り替えたところ、問い合わせが月2件から6件に増えました。
本人は「専門を狭めたら仕事が減るのでは」と最初は怖かったそうです。
ところが結果は逆でした。
狭めたことで「この分野ならこの先生」と選ばれるようになったのです。
守備範囲を狭めることが、集客では強みになる。
ここが最初のつまずきポイントです。
誰に向けた事務所かが伝わっていない
ページを開いても「この先生は自分の悩みを分かってくれるか」が読み取れない。
これでは相談に進みません。
士業への依頼は、金額の大小より「安心して任せられるか」で決まります。
だからこそ、対象を言葉にする必要があります。
たとえば「創業3年以内の個人事業主向け」「不動産を相続した家族向け」といった具合です。
対象が明確なページは、読んだ人が「これは自分のことだ」と感じます。
逆に、対象がぼやけたページは誰の心にも残りません。
実際、対象を一文で書き加えただけで滞在時間が伸びた事務所もあります。
読み手は、自分向けだと感じた瞬間に読み進める。
相談のハードルを下げる工夫がない
士業への相談は、多くの人にとって初めての経験です。
「いきなり費用を請求されないか」「上から目線で説明されないか」という不安があります。
この警戒心を放置したまま「お問い合わせはこちら」と書いても押されません。
最初は半信半疑なのが普通です。
初回相談の流れ、料金の目安、対応の雰囲気を先に見せる。
それだけで問い合わせボタンの押しやすさが変わります。
相談・問い合わせを獲得する具体的な手順
手順1:分野を絞りキーワードを決める
まず、最も自信のある分野を1つ選びます。
そのうえで、その分野の悩みを持つ人が打つ言葉を書き出します。
「相続税 いくらから」「会社設立 費用 名古屋」などです。
中小企業庁の調査でも、専門家への相談は「特定の課題を抱えたとき」に発生すると示されています。
つまり、課題名で見つけてもらう設計が必要です。
ここで欲張らず、3〜5個の言葉に絞るのがコツです。
言葉を選ぶときは、地域名を足すのも有効です。
「相続税 名古屋」「会社設立 守山区」のように、地域を絞ると競合が一気に減ります。
大手事務所は地域名まで細かく対応しきれません。
だからこそ、地域密着の小さな事務所ほど検索で勝ちやすい。
手順2:不安を解消するページを用意する
決めた言葉ごとに、悩みに答えるページを作ります。
費用の目安、相談の流れ、よくある質問を必ず入れます。
先生の顔写真と経歴も載せます。
士業は「人」で選ばれるため、人柄が伝わる情報は問い合わせ率を大きく左右します。
文章は専門用語を減らし、中学生にも分かる言葉に直します。
私が関わった事務所では、料金表を明記しただけで相談数が1.5倍になった例があります。
「料金を先に出すと値切られそう」という迷いもありました。
ただ実際は逆で、金額が見えないほうが相談をためらわせていたのです。
目安でよいので、範囲を示す。
それだけで「相談してみようかな」の一歩が軽くなります。
手順3:問い合わせ導線を1本に整える
相談方法が多すぎると、かえって迷わせます。
電話・フォーム・LINEを全部並べるより、主役を1つに決めます。
平日日中に働く人が対象なら、フォームやLINEを主役にします。
ボタンの文言も「お問い合わせ」より「無料で相談内容を送る」のほうが押されやすい。
各ページの最後に、同じ導線を必ず置く。
ここでよくあるのが、トップページにしか問い合わせボタンがないケースです。
相談したい気持ちは、記事を読み終えた瞬間が一番高まります。
その瞬間にボタンが見当たらないと、人は静かにページを閉じます。
だからこそ、すべてのページの末尾に同じ導線を置く。
迷わせない設計が、最後のひと押しになります。
比較した人が確認していたポイント
制作会社を選ぶとき、相談者が確認していた基準を挙げます。
1つ目は、士業や地域ビジネスの制作経験があるか。
2つ目は、公開後の更新や修正に対応してくれるか。
3つ目は、費用の内訳が明確か。
4つ目は、成果が出なかったときの見直しに付き合ってくれるか。
これらは他社を比べるときにも使える中立的な基準です。
1社で即決せず、2〜3社に同じ質問をして答えを比べる。
そのうえで「正直に答えてくれた会社」を選んだ、という声が多い。
公開後に相談を増やし続ける工夫
相談前の質問をそのまま記事にする
公開して終わり、では相談は伸び続けません。
一番効くのは、実際の相談で受けた質問を記事にすることです。
「相続放棄の期限は?」「開業届はいつ出す?」といった生の疑問。
これらは、同じ悩みを持つ人が今まさに検索している言葉です。
先日の打ち合わせでも、士業の方が「よく聞かれる質問リスト」を持っていました。
それは記事ネタの宝の山です。
月に2〜4本、質問に答える記事を積み上げる。
半年後には、事務所が信頼される土台が静かに育っています。
数字で振り返り直す場所を決める
やりっぱなしは、改善につながりません。
月に一度、問い合わせ件数と、どのページ経由かを確認します。
専門的な分析ツールがなくても、問い合わせフォームに「何を見て相談したか」を1問足すだけで見えてきます。
「どの記事が相談を生んだか」が分かれば、次に増やすべき内容が決まります。
最初は数字を見るのが面倒でした、という声もあります。
けれど、月1回5分の確認が、翌月の一手を変える。
顔の見える更新で信頼を重ねる
士業の信頼は、一度で完成しません。
少しずつ人柄を見せることで積み上がります。
セミナー登壇の様子、法改正への一言、地域の話題への所感。
派手さはいりません。
「この先生は今も動いている」と伝わることが大切です。
更新が止まったサイトは、来訪者に静かな不安を残します。
逆に、月に数回の小さな更新が、翌朝ふと「ここに相談してみよう」と思わせる。
よくある質問
Q1. 士業がホームページを作れば本当に相談は増えますか?
A1. 分野を絞り不安解消ページを備えれば増える可能性は高いです。ただし公開しただけでは不十分で、検索語に合った内容が前提です。
Q2. 集客にかかる費用の目安はどれくらいですか?
A2. 制作費は数十万円、維持費は月数千円〜数万円が一般的です。広告は後回しでよく、まず土台作りに投資するのが堅実です。
Q3. 相談が入るまでどれくらいかかりますか?
A3. 検索経由なら3〜6か月が目安です。広告と違い時間はかかりますが、費用が積み上がらず資産として残ります。
Q4. ブログや情報発信は本当に必要ですか?
A4. 士業では有効です。悩みに答える記事が信頼を生み、相談前の判断材料になります。月2〜4本の更新から始めれば十分です。
Q5. 顔写真や実績は載せたくないのですが大丈夫ですか?
A5. 載せないと問い合わせ率は下がりがちです。士業は人で選ばれるため、可能な範囲で人柄や経歴を伝えるほど有利になります。
Q6. 大手ポータルサイトへの登録だけではだめですか?
A6. 併用は有効ですが依存は危険です。掲載料が上がると集客も止まるため、自社サイトという土台を持つほうが安定します。
Q7. 自分で作るのと制作会社に頼むのはどちらがいいですか?
A7. 時間が取れるなら自作も可能です。ただし本業に集中したいなら、導線設計まで任せられる会社に頼むほうが結果的に早い場合が多いです。
まとめ
士業の集客は、才能ではなく手順の問題です。
分野を絞り、不安に答えるページを用意し、導線を1本に整える。
この順番を守れば、個人事務所でも相談は入り始めます。
広告から入ると費用だけが増えやすい。
まず自力で相談が入る土台を作ることが、遠回りに見えて一番の近道です。
この記事のまとめ:要点3つ
- 最初に扱う分野と対象を1つに絞り、検索される言葉でページを作る
- 費用・相談の流れ・人柄を先に見せ、相談前の不安を解消する
- 問い合わせ導線を1本に整え、各ページの最後に同じ形で置く
まずは自分の事務所の「一番の得意分野」を紙に1つ書き出してみてください。
そこから、相談が入る事務所づくりは始まります。
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