
電子書籍は、忙しい毎日の“味方”
小さな頃から本や漫画に囲まれて育った私も、最近はすっかり電子書籍派になりました。子育てや家事、仕事の合間に、タブレット一つで本が読める手軽さは本当にありがたい存在です。
40代後半になって急に老眼が進んだ私が助かっているのは、文字サイズの調整や夜間モードですが、人によっては読み上げ機能などのユニバーサルデザインを待っていたかもしれません。
月額制の読み放題サービスを使えば、通勤中や待ち時間にも、気になるタイトルを次々に試せる。まさに「読書が日常に寄り添う」時代です。そういう意味では本を読むハードルがぐっと下がり、知識を得るための手段としての読書が、より身近になってきたと感じています。
ただ、便利さの裏側で、ふと立ち止まって考えることもあります。
この読書体験、作者や本の“声”に、ちゃんと届いているのかな?と。
だれもが発信できる時代、だけど…
電子書籍の世界では、プロの作家だけでなく、一般の人でも作品を世に出せる時代になりました。
「小説家になろう」や「pixiv」などの投稿サイトから、人気作品が書籍化・映像化される例も増えています。出版社を介さず、SNSで作品を発表し、ファンと直接つながる作家も増加中です。
この自由さ、多様さはとても魅力的で、読者としては本当に楽しい。
けれど一方で、「作品に対する対価」があいまいになる不安も感じます。サブスクの中で数十冊と読んでしまうと、流し読みになってしまって、個々の作品へのリスペクトが希薄になることも。
「読者は得をしているけど、作者にはちゃんと還元されているのかな?」
そんな疑問がよぎることもあります。
“たくさん読まれる”ことは喜ばしい。でも、創作には膨大な時間と労力がかかっています。「安く、手軽に読める」だけでなく、ちゃんと作者に対価が支払われて、モチベーションを保ちながら作品を生み続けてほしいと、本好きとしては強く願っています。
図書館の電子化に感じた希望と、残念さ
名古屋市でも図書館の電子化が始まったというニュースを見て、「ついに!」と期待してアクセスしてみました。
でも、実際のサイトを見てみると、貸し出しできる本が極端に少なく、操作もわかりにくい。そして、目当ての本には何人も“順番待ち”が……。行政がかけられる予算に限りがあるのは分かりますが、あまりにもデザインも残念でした>_<。
本好きとして、電子図書館の広がりには大きな期待を寄せていただけに、ちょっとガッカリしてしまいました。
それでも、電子図書館は子育て中の親や、入院が長いお子さん、外出が難しい方、視力に不安がある人にとっての大きな希望です。
冊数や操作性、そして「借りられている実感」が著者に届く仕組みが整えば、もっと多くの人が読書の楽しさに触れられるはず。図書館が“読み放題の入り口”でありながらも、ちゃんと作者への敬意と報酬が届く形が、これからの理想かもしれません。
おわりに
便利さと豊かさのバランスを探しながら、これからも“読む”を楽しんでいきたい。
本を愛するすべての人が、幸せな読書体験を積み重ねていけますように。