営業時間外も安心して問い合わせに対応するには、「お問い合わせフォームで24時間受け付けつつ、電話は営業時間内の”即時対応チャネル”として役割を分担する」ことが最も現実的で、コストと満足度のバランスが良い方法です。
中小企業や小規模事業者でも、この2つを上手に組み合わせることで、機会損失を防ぎながら、日中の電話対応負担も減らせます。
私たちらいふぼーとは、岐阜県大垣市・名古屋市守山区を拠点に、中小企業様のホームページ制作やウェブ活用をサポートしてきました。その中で、「営業時間外の問い合わせをどう受ければいいのか」「電話とフォーム、どちらを優先すべきか」というご相談を数多くいただいてきました。
今回は、私たちが日々お客様にお伝えしている「問い合わせ窓口の役割分担」について、実践的なノウハウをお伝えします。
【この記事のポイント】
- 営業時間外の問い合わせは「お問い合わせフォーム」を基本窓口にし、電話は営業時間内の即時対応チャネルに絞るべきです
- フォームは「24時間受付・記録が残る・内容を整理しやすい」、電話は「緊急性・信頼感・細かなすり合わせ」に強みがあります
- 中小企業こそ、問い合わせフローを設計して運用ルールを明文化することで、取りこぼし防止と担当者の負担軽減を同時に実現できます
この記事の結論
- 営業時間外はお問い合わせフォームを「一次受付の主役」とし、電話は原則営業時間内に限定するべきです
- フォームは24時間受付と履歴共有に強く、電話は信頼感とスピードが必要な場面に向いています
- 中小企業は「電話かフォームか」をお客様に選んでもらう設計にしつつ、自社の対応体制に合ったガイドラインをサイト上に明示することが重要です
- 問い合わせ内容を標準化・可視化することで、営業機会の取りこぼし防止と社内改善(よくある質問の見直しなど)につながります
- 将来的にはチャットボットやAI電話なども組み合わせると、少人数体制でも24時間に近い体制が作れます
お問い合わせフォームと電話、それぞれの役割はどう分けるべきか?
お問い合わせフォームの「結論としての役割」
結論から言うと、お問い合わせフォームは「24時間いつでも一次受付ができ、内容を漏れなく記録して社内で共有できる窓口」として位置づけるのが最適です。
電話と違い、フォームはお客様の入力内容がそのまま文字情報として残るため、後から社内で内容を確認・分析しやすい点も大きなメリットです。特に少人数で運営されている中小企業様の場合、担当者が不在のときでも問い合わせ内容を確実に把握できるという安心感は非常に大きいものがあります。
実務では、フォームに「お問い合わせ種別」「予算感」「希望時期」などの入力項目を設けることで、対応の優先度付けや担当振り分けがスムーズになります。
私たちらいふぼーとでも、会社名や担当者名、予算や公開希望日などを事前にフォームでお伺いすることで、初回の打ち合わせから具体的なご提案ができるようにしています。お客様にとっても、事前に情報を整理してお伝えいただくことで、より的確なご提案を受けられるというメリットがあります。
また、フォームからのお問い合わせは、内容を一度整理してからご連絡いただけるため、お客様ご自身も「何を聞きたいのか」「何を依頼したいのか」を明確にした状態でやり取りを始められます。これは、その後のコミュニケーションをスムーズにする上でも非常に有効です。
電話の「結論としての役割」
一言で言うと、電話は「緊急性が高い要件や、細かなニュアンスをすり合わせたい相談のためのリアルタイム窓口」として使うのが適切です。
声で直接やり取りできるため、文章では伝えにくいニュアンスや不安感を受け止めやすく、信頼感を高めやすいコミュニケーション手段でもあります。特に初めてお問い合わせいただくお客様にとって、「実際に話を聞いてもらえた」という安心感は、その後のお取引においても大きな意味を持ちます。
一方で、中小企業の約6割以上が電話対応に課題を感じており、「即答できず折り返しが多い」「対応する人がいない」といった悩みが多いという調査結果も出ています。
私たちらいふぼーとでも、制作業務に集中している最中に電話が鳴ると、どうしても作業が中断されてしまうという課題を感じてきました。そのため、電話は「誰でも何でも受ける窓口」ではなく、「この時間帯・この内容なら電話で」と用途を絞ったほうが、現場の負担とお客様満足のバランスが取りやすくなります。
電話の強みを最大限に活かすためには、「電話で対応すべき内容」と「フォームで十分な内容」を明確に分けておくことが大切です。緊急のトラブル対応や、複雑な要件の初回相談などは電話が適していますが、資料請求や一般的なお問い合わせであれば、フォームのほうがお互いにとって効率的な場合も多いのです。
中小企業・小規模事業者に向いている基本設計
中小企業や小規模事業者にとって、最も大事なのは「現実的に回せる問い合わせ体制を作ること」です。
社員数が少ない場合、日中は制作や本業に集中しつつ、問合せを漏らさない仕組みとしてフォームを主役に据え、電話は時間帯と用途を明確にして運用する設計が向いています。
例えば、ホームページ上に「平日10:00〜19:00はお電話でもご相談可能、それ以外の時間帯はお問い合わせフォームをご利用ください」と明記しておくと、お客様も安心して連絡手段を選びやすくなります。
こうしたガイドを事前に示すことが、問い合わせ窓口の役割分担をスムーズにする第一歩になります。お客様に「どちらに連絡すればいいのか」を迷わせないことが、結果的に問い合わせ数の増加にもつながります。
私たちがホームページ制作をお手伝いする際も、この「問い合わせ導線の設計」は非常に重視しているポイントです。せっかく良いホームページを作っても、問い合わせしにくい設計では機会損失につながってしまいます。
営業時間外の問い合わせを逃さない仕組みづくり
営業時間外はフォームを「主役」にするべき理由
営業時間外の問い合わせ対応で最も大事なのは、「機会損失を防ぎつつ、無理のない体制で運用すること」です。
多くの中小企業では、営業時間外の電話をリアルタイムで受けることは難しいため、24時間対応可能なお問い合わせフォームを一次受付の主役にする設計が現実的です。
実際、お客様がホームページを見て「問い合わせしよう」と思うタイミングは、必ずしも営業時間内とは限りません。仕事終わりの夜間や、休日にじっくり検討してから連絡したいという方も多くいらっしゃいます。そうしたお客様の行動に合わせて、24時間いつでも受け付けられる窓口を用意しておくことは、ビジネスチャンスを逃さないために非常に重要です。
フォームなら、夜間や休日でも問い合わせ内容を受け取り、営業開始後に順番に対応できるため、担当者の残業や当番制を必要以上に増やさずに済みます。
さらに、フォームの送信完了画面や自動返信メールで「通常◯営業日以内にご返信します」と明記しておけば、お客様も安心して連絡を待つことができます。この「いつ頃返事がもらえるのか」という見通しを示すことは、お客様の不安を軽減する上で非常に効果的です。
私たちらいふぼーとでも、フォームからお問い合わせいただいた方には、自動返信メールで受付完了のお知らせと、返信までの目安をお伝えするようにしています。これにより、「ちゃんと届いているのか」「いつ返事がもらえるのか」といった不安を解消し、安心してお待ちいただける体制を整えています。
電話・留守番電話・AI電話の使い分け
一言で言うと、営業時間外の電話は「取りこぼし防止のために、留守番電話やAI電話を組み合わせる選択肢を検討する」ことがポイントです。
留守番電話やAI自動応答サービスを利用することで、要件と連絡先だけでも残してもらい、翌営業日に折り返す運用が可能になります。
「電話でないと連絡できない」というお客様も一定数いらっしゃいますので、そうした方への対応として、留守番電話の活用は有効な手段です。ただし、留守番電話に「営業時間外のため、お急ぎの場合はホームページのお問い合わせフォームをご利用ください」といったアナウンスを入れておくことで、フォームへの誘導も同時に行えます。
近年は、AIが自動で電話を受けて内容をテキスト化・メール転送してくれるサービスも増えており、24時間365日対応で機会損失ゼロを目指す企業も増えています。
人手不足に悩む中小企業が電話代行やAI電話を導入し、人件費を抑えつつ売上向上を実現した事例も報告されています。導入コストと効果のバランスを見ながら、自社に合った方法を検討されることをおすすめします。
特に、一人で事業を営んでいる個人事業主の方や、少人数で運営されている企業様にとって、こうしたサービスは「自分の代わりに電話を受けてくれる存在」として心強い味方になります。
実務的な運用ルールの決め方(ステップ付き)
問い合わせ窓口の役割分担を実務で回すには、次のような手順で運用ルールを決めると整理しやすくなります。
ステップ1:現状の把握 現在の問い合わせチャネル(電話・メール・フォーム・SNSなど)を書き出します。どのような経路からお客様が連絡してきているのかを可視化することが第一歩です。
ステップ2:対応状況の整理 各チャネルで「誰が」「いつ」「どのように」対応しているかを整理します。担当者が明確になっていない場合は、この機会に決めておくと良いでしょう。
ステップ3:営業時間外の実態把握 営業時間外に発生している問い合わせ内容と件数を把握します。どのような内容の問い合わせが多いのかを知ることで、対応の優先順位が見えてきます。
ステップ4:基本方針の決定 「営業時間外はフォームを基本窓口にする」という方針を決めます。社内で共通認識を持つことが大切です。
ステップ5:電話対応の範囲を明文化 電話は受電可能な時間帯と用途(緊急時・初回相談など)を明文化します。どのような場合に電話で対応するのかを明確にしておくことで、担当者も迷わずに済みます。
ステップ6:補助サービスの検討 留守番電話やAI電話・電話代行サービスの利用有無を検討します。予算と効果を比較しながら、自社に合った方法を選びましょう。
ステップ7:ホームページへの明記 ホームページに「問い合わせ先と対応時間」を明記します。お客様にとって分かりやすい表記を心がけましょう。
ステップ8:自動化の整備 フォーム送信後の自動返信メールと、社内通知(メール・チャット)を整備します。問い合わせを受けたらすぐに社内で共有できる仕組みを作っておくことで、対応の漏れを防げます。
このようにステップを踏んで設計すると、部署や担当者ごとに運用がバラバラになるのを防ぎやすくなります。一度にすべてを完璧に整える必要はありませんので、できるところから少しずつ改善していくことをおすすめします。
お問い合わせフォームと電話のメリット・デメリットは?
メリット・デメリットの全体像
結論として、フォームと電話にはそれぞれ明確な強みと弱みがあるため、「どちらか一方だけ」に絞るよりも、役割分担して併用するのが合理的です。
下記の表のように整理すると、自社の方針も決めやすくなります。
| 項目 | お問い合わせフォーム | 電話 |
|---|---|---|
| 対応時間 | 24時間受付が可能 | 原則、営業時間内のみ |
| 記録・共有 | 内容が文字で残り、共有しやすい | メモ次第で漏れや認識違いが起こりやすい |
| 顧客の心理ハードル | じっくり書ける一方、入力が手間な人もいる | すぐ聞けるが、電話が苦手な人も多い |
| 社内負担 | 内容を見てから対応でき、優先度付けしやすい | 即時対応が必要で、作業が中断されがち |
| 緊急・複雑な相談 | 追加のやり取りが必要になりやすい | その場で確認・すり合わせがしやすい |
このように、それぞれの性質を理解したうえで、お客様に「選べる窓口」として両方用意しておくのが現実的な解決策です。
私たちがお客様のホームページを制作する際も、「電話番号だけ」「フォームだけ」ではなく、両方の窓口を設けることをおすすめしています。お客様によって連絡しやすい方法は異なりますので、選択肢を用意しておくことが大切です。
フォームの強みを活かす使い方
フォームの最大の強みは「24時間受付と、内容の標準化・可視化」です。
入力項目を工夫することで、見積依頼・資料請求・問い合わせなどの種別ごとに必要な情報を揃えた状態で受け取れるため、初回の返信内容の質も高めることができます。
例えば、ホームページ制作のお問い合わせであれば、「現在のホームページの有無」「制作の目的」「希望の公開時期」「おおよその予算感」などを事前にお伺いすることで、より具体的なご提案が可能になります。
また、フォーム経由の問い合わせ内容を蓄積・分析することで、「よくある質問の傾向」「お客様が悩みやすいポイント」「自社の強みが評価されている点」なども見えやすくなります。
こうしたデータは、サービス改善やホームページのコンテンツ見直しにも役立ちます。例えば、同じような質問が多く寄せられる場合は、ホームページ上に「よくある質問」として掲載しておくことで、お客様の疑問を事前に解消し、より質の高いお問い合わせにつなげることができます。
私たちらいふぼーとでも、お問い合わせ内容を定期的に振り返り、サービスの改善やホームページの更新に活かしています。フォームは単なる連絡手段ではなく、お客様の声を集める貴重なツールでもあるのです。
電話の強みを活かす使い方
最も大事なのは、電話を「誰でも何でも受ける窓口」ではなく、「ここぞという場面で使うチャネル」として位置づけることです。
例えば、初回の不安が強い相談や、急ぎのトラブル時、細かな仕様のすり合わせが必要な打ち合わせ前などは、電話が力を発揮しやすい場面です。
特に、初めてお問い合わせいただくお客様の中には、「まずは話を聞いてみたい」「文章では伝えにくい」という方もいらっしゃいます。そうしたお客様にとって、電話で直接相談できるという選択肢があることは、安心感につながります。
代表電話や代表番号を一本化することで、外部からの連絡窓口を集約しつつ、社内での問い合わせフローも効率化できます。
同時に、「営業目的のお電話はお問い合わせフォームからお願いします」といった方針を決めておくことで、不要な電話対応に時間を取られにくくなります。
営業電話への対応に時間を取られてしまうという悩みは、多くの中小企業様から聞かれる声です。こうした電話を適切にフィルタリングすることで、本来対応すべきお客様からの電話に集中できるようになります。
お問い合わせ対応で大切にしたい3つの心がけ
ここまで、フォームと電話の役割分担についてお伝えしてきましたが、どのようなツールを使うにしても、お問い合わせ対応で大切にしたい心がけがあります。
1. スピード感を持って対応する
お問い合わせをいただいたら、できるだけ早く返信することが大切です。特に、複数の会社に問い合わせをしているお客様の場合、最初に返信が来た会社に好印象を持つことが多いものです。
「24時間以内に返信」「翌営業日中に返信」など、自社なりの目標を決めて、それを守るように心がけましょう。
2. お客様の立場に立った対応を心がける
お問い合わせをしてくださるお客様は、何かしらの課題や悩みを抱えています。その気持ちに寄り添い、丁寧な対応を心がけることが大切です。
たとえすぐに解決できない内容であっても、「確認してご連絡します」「◯日までにお返事します」といった形で、次のアクションを明確にお伝えすることで、お客様の不安を軽減できます。
3. 社内での情報共有を徹底する
お問い合わせ内容を担当者だけが把握している状態では、その担当者が不在のときに対応できなくなってしまいます。
フォームからの問い合わせ内容を社内で共有する仕組みを作り、誰でも対応できる体制を整えておくことが重要です。
よくある質問(Q&A)
Q1. 営業時間外の問い合わせは電話とフォームどちらを優先すべきですか?
原則としてフォームを優先し、電話は留守番電話やAI電話で要件だけ預かる形にすると、機会損失を防ぎつつ負担も抑えられます。
Q2. フォームだけにするとお客様の満足度が下がりませんか?
電話番号も併記しつつ「対応時間」を明示すれば、お客様は状況に応じて選べるため満足度を保ちやすくなります。大切なのは、お客様に選択肢を提供することです。
Q3. 中小企業にとって電話対応の一番の課題は何ですか?
即答できず折り返しが多いことや、対応できる人が限られていることが主な課題として挙げられています。少人数で運営している場合、この課題は特に顕著です。
Q4. お問い合わせフォームを設置する一番のメリットは何ですか?
24時間いつでも受け付けでき、内容が文字として記録に残るため、認識のずれや対応漏れを防ぎやすい点です。また、お客様も時間を気にせずに連絡できるというメリットがあります。
Q5. 電話代行やAI電話は小規模事業でも導入する価値がありますか?
人手不足や電話本数の多さに悩む場合、電話代行やAI電話の導入で人件費削減と機会損失の防止を同時に実現した事例があります。導入コストと効果を比較して検討されることをおすすめします。
Q6. フォームの入力項目はどの程度細かくすべきですか?
必須項目は「連絡先+要件が分かる最低限」に抑えつつ、任意で予算や希望時期などを設定すると、離脱を防ぎながら情報も集めやすくなります。入力項目が多すぎると、途中で離脱されてしまうリスクがあります。
Q7. 問い合わせ窓口の方針はサイトにどのように表記すべきですか?
「平日◯時〜◯時はお電話可」「それ以外はフォームへ」といった形で対応可能時間と推奨窓口を明記すると、お客様にも伝わりやすくなります。目立つ場所に表示することが大切です。
Q8. フォームからの問い合わせが少ない場合、どうすればいいですか?
フォームへの導線が分かりにくい可能性があります。ホームページ上でフォームへのリンクを目立つ場所に配置したり、「お気軽にお問い合わせください」といった誘導文を添えたりすることで、改善できることが多いです。
らいふぼーとのお問い合わせ対応について
私たちらいふぼーとでは、お客様からのお問い合わせを大切にしています。
ホームページのお問い合わせフォームは24時間受け付けておりますので、営業時間外でもお気軽にご連絡ください。いただいたお問い合わせには、原則として翌営業日中にご返信いたします。
お電話でのご相談は、平日の営業時間内にて承っております。「まずは話を聞いてみたい」という方も、お気軽にお問い合わせください。
ホームページ制作に関するご相談はもちろん、「問い合わせ窓口の設計について相談したい」「フォームの改善を検討している」といったご相談も承っております。
まとめ
- 営業時間外はお問い合わせフォームを一次受付の主役にし、電話は営業時間内の即時対応チャネルとして役割を分担するのが現実的です
- フォームは24時間受付・記録・分析に強く、電話は緊急時や細かなすり合わせに強いので、中小企業こそ両方を併用する設計が向いています
- 明確な問い合わせフローとサイト上での方針表示、必要に応じた留守番電話・AI電話・電話代行の活用で、少人数体制でも機会損失を抑えながら顧客満足度を高められます
お問い合わせ対応は、お客様との最初の接点となる大切な場面です。フォームと電話を上手に使い分けることで、お客様にとって連絡しやすい環境を整え、ビジネスチャンスを逃さない体制を作りましょう。
もし、お問い合わせ窓口の設計やホームページの改善についてお悩みでしたら、らいふぼーとまでお気軽にご相談ください。岐阜県大垣市・名古屋市守山区を拠点に、中小企業様のウェブ活用をサポートしております。