はじめに:AIエージェント元年が到来
2025年8月5日、私たち「らいふぼーと」は東京ビッグサイトで開催された「Google Cloud Next Tokyo ’25」に参加してきました。名古屋市守山区を拠点に、2003年の設立以来22年間、企業様のホームページ制作とウェブサービスを提供してきた私たちにとって、このイベントで目の当たりにした技術革新は衝撃的なものでした。
会場で実感したのは、AIがもはや単なる「便利なツール」ではなく、自律的に判断し行動する「パートナー」へと進化しているという事実です。業界では、2025年を「AIエージェント元年」と呼ぶ動きが出ています。
私たちが常に大切にしているのは「ITでワクワクを創造する」という理念です。技術の進化は日進月歩ですが、その技術をどう活用すれば中小企業様の成長につながるのか。今回のイベントで得た知見を、名古屋の地元企業様にも役立てていただきたいと考え、この記事をまとめました。
特に予算に制約のある中小企業の経営者様にこそ、AIを段階的に導入していただくことで、大企業に負けない競争力を手に入れていただけると確信しています。
AIエージェントとは何か:従来のチャットボットとの決定的な違い
イベントで最も印象的だったのは、Vertex AIやGeminiといったGoogle Cloudの最先端技術が描く「未来の働き方」のビジョンでした。
従来のチャットボットは、あらかじめ用意されたシナリオに沿って回答するだけの存在でした。「よくある質問」の答えを表示したり、該当するページへ誘導したりする程度のものです。
しかし、AIエージェントは根本的に異なります。
まず、自律的に目標を達成する能力を持っています。たとえば、お客様から「来週の火曜日に会議室を予約したい」という依頼があったとします。AIエージェントは、予約システムにアクセスし、空き状況を確認し、予約を完了させ、確認メールを送信するまでを一連の流れとして自動で処理します。人間がいちいち指示を出す必要はありません。
次に、複雑な問題を解決する力があります。「予算5万円で社内イベントを企画したい」といった曖昧な要望に対しても、過去のデータや市場情報を分析し、具体的な提案を組み立てることができるのです。
会場で展示されていたデモでは、あるECサイトのAIエージェントが、顧客の問い合わせ内容から在庫システム、配送状況、顧客管理システムを横断的に参照し、最適な回答を数秒で導き出していました。このスピードと正確性には、参加者全員が驚いていました。
私たちが2025年8月6日に開催した青年部向けセミナー「ChatGPTで会社の魅力を引き出すコピーづくり」でも、AIを創造的なツールとして活用する方法をお伝えしました。AIは人間の仕事を奪うものではなく、むしろ人間がより創造的な業務に集中できるように支援してくれる存在なのです。
この技術革新は、高額な人件費をかけられない中小企業様にこそ、大きなチャンスをもたらします。24時間365日、疲れを知らずに顧客対応ができる「デジタルな分身」を手に入れられるのですから。
人間が担うべき領域:AIに任せられないこと
AIエージェントが定型的な業務を処理できるようになると、人間は何に集中すべきでしょうか。
イベントの講演で印象に残ったのは、「AIが得意な領域と人間が得意な領域を明確に分ける」という考え方です。
AIが得意なのは、大量のデータ処理、パターン認識、繰り返し作業です。たとえば、過去の問い合わせ履歴から傾向を分析したり、在庫管理や予約受付を自動化したりする業務には最適です。
一方、人間にしかできないのは、感情を伴う判断や、企業の「想い」を伝えることです。クレーム対応で相手の気持ちに寄り添う、新規顧客との初回面談で信頼関係を築く、企業のビジョンを熱意を持って語る。こうした業務は、どれだけAIが進化しても人間が担う必要があります。
私たち「らいふぼーと」が22年間のホームページ制作で最も大切にしてきたのは、クライアント様の「想い」をどう表現するかという点です。技術的には似たようなサイトが作れても、その企業様ならではの魅力や理念を引き出し、デザインに落とし込むのは、長年の経験と対話の中でしか実現できません。
AIを導入する際も、この原則は変わりません。AIに業務効率化を任せることで生まれた時間を、お客様との対話や、より質の高いサービス開発に投資していただくことが重要です。
具体的には、AIが一次対応を担当し、複雑な案件や重要な商談だけを人間が対応するという役割分担が理想的です。これにより、少人数の企業様でも、大企業並みの顧客対応力を持つことが可能になります。
ステップ1:AIでコンテンツ制作を効率化する
中小企業様が最も手軽に、かつ効果的にAIを活用できるのがコンテンツ制作の分野です。
私たちが普段お勧めしているのは、ChatGPTをはじめとする大規模言語モデルの活用です。基本的な機能は無料で使えるため、初期投資を抑えたい企業様にも最適です。
具体的な活用方法を、実例を交えてご説明します。
まず、キャッチコピーの作成です。「20代女性向けのヨガスタジオで、初心者でも安心して通えることをアピールしたい」といった条件をAIに入力すると、数秒で10パターン以上のコピー案が提案されます。「初めての方も、マイペースで大丈夫」「あなたのペースで、心と体を整える」など、多様な表現から選択できるため、ゼロから考える時間が大幅に短縮されます。
次に、ブログ記事の骨子作成です。たとえば「ホームページのSEO対策について初心者向けに解説する記事」を書く場合、AIに「SEO対策、初心者、1500文字、章立て」といった指示を出せば、適切な構成案が瞬時に生成されます。その構成案に、私たちが22年間蓄積してきた実践的なノウハウや失敗事例を肉付けすることで、オリジナリティと専門性の高い記事が完成します。
ここで重要なのは、AIの出力をそのまま使わないという点です。AIが生成した文章は、どうしても一般的で無難な表現になりがちです。そこに、企業様ならではの経験や考え方、地域性(名古屋という土地柄)を加えることで、読者に「伝わる」コンテンツになります。
私たちのブログでも、AIを補助的に活用しながら、最終的には人間の目でチェックし、「ITでワクワクを創造する」という理念に合致しているかを確認しています。この人間によるチェック工程を省略してしまうと、企業の個性が失われ、他社との差別化ができなくなってしまいます。
また、パンフレットなどの紙媒体とウェブサイトで、メッセージの統一感を保つことも重要です。私たちは「Webと紙の両軸から」お客様のブランドづくりをお手伝いしていますが、AIを活用する場合も、デジタルと物理的な環境で一貫したトーンを維持することが、長期的な信頼構築につながります。
コンテンツ制作にAIを導入すると、制作時間が従来の半分以下になるケースも珍しくありません。その分、クライアント様との打ち合わせや、より戦略的な施策の検討に時間を使えるようになります。
ステップ2:AIに優しいウェブサイト基盤を整える
AIエージェントが正確に機能するためには、学習元となるウェブサイトの情報が整理され、信頼性が高いことが前提条件です。
私たちが提供するミニマムプラン(5ページから、初期料金220,000円から)でも、この基盤づくりを重視しています。
具体的には、ホームページ、会社案内、サービス紹介、料金案内、お問い合わせといった基本的な情報を明確に構造化します。各ページの目的を明確にし、情報の階層を整理することで、AIが学習しやすい環境を作ります。
たとえば、サービス紹介のページで「ホームページ制作」という項目があったとします。ここに「制作期間」「料金体系」「制作実績」「対応可能な範囲」といった情報が体系的に整理されていれば、AIエージェントは顧客からの質問に対して正確な回答を提供できます。
逆に、情報が散らばっていたり、曖昧な表現が多かったりすると、AIも正確な回答ができません。「詳しくはお問い合わせください」ばかりのサイトでは、AIエージェントを導入しても意味がないのです。
私たちは基本的に無料のソフトウェア群(WordPressなど)を使用してウェブサイトを構築します。これにより、初期費用を抑えながらも、将来的なAI導入に備えた柔軟な基盤を作ることができます。
WordPressの利点は、クライアント様ご自身で情報を更新できる点です。AIエージェントは常に最新の情報を学習する必要があるため、タイムリーな更新ができる環境が不可欠です。営業時間の変更、新サービスの追加、料金改定といった情報を迅速に反映できれば、AIも常に正確な案内ができます。
また、レスポンシブデザインも重要です。スマートフォンからのアクセスが増えている現在、どのデバイスからでも見やすく、情報が正確に伝わるサイト設計が求められます。AIエージェントも、モバイル環境での利用を前提に設計されているため、レスポンシブ対応は必須条件と言えます。
この段階での投資は、将来的なAI活用の基礎となります。「伝えたいことが、きちんと伝わるサイト」を作ることが、次のステップであるAIエージェント導入の成功を左右します。
ステップ3:自律的な顧客サポートエージェントを導入する
AI活用の最終段階が、顧客サポート業務の自律化です。
Google Cloud Next ’25で紹介されていたVertex AIとGeminiを組み合わせた事例では、ある企業のウェブサイトに実装されたAIエージェントが、年中無休で顧客対応を行っていました。
深夜2時に「商品の配送状況を知りたい」という問い合わせがあっても、AIエージェントが配送システムにアクセスし、リアルタイムの情報を提供します。「明日の午前中に到着予定です。配送業者は○○運輸で、追跡番号は△△です」といった具体的な回答が、数秒で返ってきます。
従来なら、翌営業日まで待たせるか、夜間対応のスタッフを雇う必要がありました。しかし、AIエージェントなら追加の人件費なしで、24時間体制の対応が実現できます。
この技術を中小企業様が導入する場合、まずは簡単な問い合わせ対応から始めることをお勧めします。
「営業時間は何時までですか」「駐車場はありますか」「予約のキャンセルは可能ですか」といった定型的な質問への回答は、AIエージェントが完璧に処理できます。
一方で、クレーム対応や契約前の詳細な相談は、引き続き人間が担当します。AIが一次対応で基本情報を提供し、複雑な案件だけを人間にエスカレーションする仕組みを作れば、スタッフの負担は大幅に軽減されます。
実際、会場で聞いた事例では、AIエージェント導入後、カスタマーサポートチームの残業時間が月間で約40%削減されたそうです。スタッフは定型業務から解放され、顧客との深い関係構築や、サービス改善の提案といった創造的な業務に時間を使えるようになったとのことでした。
私たちも、将来的にはクライアント様のウェブサイトにAIエージェントを組み込むサービスを提供していきたいと考えています。ただし、その前提として、ステップ1と2で説明した基盤づくりが不可欠です。
AIエージェントは「高性能な営業アシスタント」のような存在です。疲れを知らず、間違いも少なく、感情的にならず、公平に対応してくれます。この分身を活用することで、中小企業様でも大企業並みの顧客対応力を手に入れられるのです。
AI時代に欠かせないセキュリティ対策と継続的な保守
AI技術を活用して効率化を進めるほど、その基盤となるウェブサイトの安全性と信頼性が重要になります。
Google Cloud Next ’25でも、セキュリティに関するセッションが数多く開催されていました。AI技術の進化は、同時にサイバー攻撃の手法も高度化させているという警鐘が鳴らされていたのです。
私たちのブログでも、「北海道警の偽サイトが発見された件から見える、URLの罠と公式サイトの責任」という記事で、セキュリティ意識の重要性を解説しました。公式サイトが偽装されれば、企業の信頼は一瞬で失われます。
中小企業様の中には、初期費用を抑えることに注力するあまり、公開後のセキュリティ対策や保守を軽視してしまうケースがあります。しかし、これは非常に危険です。
ウェブサイトは公開した瞬間から、世界中のあらゆる脅威にさらされます。WordPressのような広く使われているシステムは、特に攻撃の標的になりやすい傾向があります。定期的なアップデート、セキュリティパッチの適用、バックアップの取得といった基本的な対策を怠ると、ある日突然サイトが改ざんされたり、顧客情報が流出したりするリスクがあります。
私たちが提供する「サーバー管理」サービス(月額5,500円から)は、こうしたリスクから企業様を守るためのものです。セキュリティ対策、定期的なバックアップ、システムの監視、不具合への迅速な対応まで、専門家が責任を持って管理します。
AIエージェントを導入する場合、この保守の重要性はさらに高まります。なぜなら、AIエージェントは常にウェブサイトのデータにアクセスし、顧客に情報を提供するからです。もしサイトが改ざんされて誤った情報が掲載されていたら、AIもその誤った情報を顧客に伝えてしまいます。
月額5,500円という費用を「もったいない」と感じる経営者様もいらっしゃるかもしれません。しかし、一度セキュリティ事故が発生すれば、その復旧費用や失われる信頼は、月額費用の何倍、何十倍にもなります。
継続的な保守への予算配分は、AI時代における最低限の投資です。保険のようなものだと考えていただければと思います。何も起こらなければそれが一番ですが、万が一の際に企業を守ってくれる重要な存在なのです。
人間の役割:想いを伝え、ブランドを統一する
AIは業務を効率化する強力なツールですが、企業様のビジネスを美しく的確に伝え、統一感のあるブランドを作るのは人間の役割です。
私たちは、Webと紙の両軸からお客様のブランドづくりをお手伝いしています。ウェブサイトとパンフレットで一貫したデザインとメッセージを提供することが、長期的な信頼構築につながると確信しているからです。
たとえば、AIを使ってウェブサイトのコンテンツを高速生成したとします。しかし、そのコンテンツが企業様の理念と合致しているか、ターゲット顧客に響く表現になっているか、競合他社との差別化ができているかを確認するのは、人間の仕事です。
あるクライアント様の事例をご紹介します。地元で30年以上続く老舗の和菓子店様で、ウェブサイトのリニューアルをご依頼いただきました。AIを活用して商品説明文を生成したところ、確かに読みやすく、SEO的にも問題ない文章が出来上がりました。
しかし、店主様との対話の中で、「この店の和菓子は、祖父の代から受け継がれた製法で、地元の素材にこだわっている」という想いを伺いました。その想いをAIが生成した文章に織り込み、写真や配色も和の雰囲気を大切にすることで、他店とは明確に差別化されたブランドイメージが完成しました。
これは、AIだけでは決して実現できません。長年の対話と信頼関係、そして企業様の歴史や価値観を深く理解する人間の感性があって初めて可能になります。
また、パンフレットなどの紙媒体との統一感も重要です。お客様が店頭でパンフレットを手に取り、後日ウェブサイトを訪れたとき、デザインやメッセージに一貫性があれば、「この企業は信頼できる」という印象を持っていただけます。
AIは素晴らしいツールですが、最終的な責任を負うのは人間です。コンテンツの正確性、企業理念との整合性、法的な問題の有無。こうした点を確認し、クライアント様に安心して使っていただける品質を担保するのが、私たちプロフェッショナルの役割だと考えています。
2003年の設立以来22年間、私たちが積み重ねてきた経験とノウハウは、AIには簡単には真似できません。その専門性を活かしながら、AIの効率性を組み合わせることで、最高の成果をクライアント様に提供していきたいと考えています。
まとめ:AI時代の中小企業戦略
Google Cloud Next Tokyo ’25で体感した「AIエージェント元年」は、中小企業様にとって脅威ではなく、むしろ大きなチャンスです。
AI技術を戦略的に活用することで、限られた予算でも大企業に負けない競争力を手に入れることができます。定型業務はAIに任せ、人間はより創造的で付加価値の高い業務に集中する。この役割分担が、これからの時代の成功の鍵です。
3つのステップを改めて整理します。
まず、コンテンツ制作へのAI導入で、制作時間とコストを削減します。次に、AIに優しいウェブサイト基盤を整え、情報を構造化します。そして最終的に、自律的な顧客サポートエージェントを導入し、24時間365日の対応体制を構築します。
ただし、これらを実現するには、セキュリティ対策と継続的な保守、そして人間による最終チェックが不可欠です。技術だけでなく、企業様の想いをしっかりと形にすることが、長期的な信頼につながります。
AIエージェントは、中小企業様が手に入れる「デジタルな分身」です。疲れを知らずに定型業務をこなし、人間が本来持つべき創造性や顧客との深い関わりに集中できるように時間を創出してくれます。
この変革を成功させるには、最新技術への深い理解と、長年の運用経験を兼ね備えたパートナーが必要です。
私たち「らいふぼーと」は、名古屋市守山区で22年間、企業様のウェブサイト制作とブランドづくりを支えてきました。この経験と、Google Cloud Next ’25で得た最新知見を組み合わせ、これからも「ITでワクワクを創造する」というビジョンのもと、クライアント様の成長をお手伝いしていきます。
AI技術の導入は、決して難しいものではありません。段階的に、無理のない範囲で始めることが大切です。まずはコンテンツ制作から、そしてウェブサイトの基盤づくりへ。その先に、自律的なAIエージェントの活用が待っています。
「目的のあるウェブサイト」を一緒に創るパートナーとして、私たちはこれからも地域の企業様に寄り添い続けます。
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