はじめに – AIが変える検索の世界
「もうSEOは必要ないのでは?」そんな声を最近よく耳にするようになりました。ChatGPTのような大規模言語モデル(LLM)が登場し、検索エンジンも大きく進化している今、従来のSEO対策は本当に意味がなくなってしまうのでしょうか。
私たち「らいふぼーと」は、2003年の設立以来、「ITでワクワクを創造する」という思いを胸に、ホームページ制作を通じてお客様のビジネス成長を支えてきました。名古屋を拠点に、お客様の「伝えたい」を「伝わるカタチ」に仕上げることを使命としています。
この記事では、LLM時代におけるSEOの在り方について、私たちの経験と最新のトレンドを踏まえて深く考察していきます。結論から申し上げると、「SEOは終わらない。しかし、その本質とアプローチは大きく進化する」というのが私たちの見解です。
実際に私たちが開催した「ChatGPTで会社の魅力を引き出すコピーづくり」セミナーでは、多くの企業様がAIを活用したコンテンツ制作に関心を示されました。一方で「AIが直接答えを出してくれるなら、もうウェブサイトへの流入は期待できないのでは?」という不安の声も多く聞かれたのが実情です。
LLMとは「Large Language Model」の略で、大量のテキストデータを学習して人間のような自然な文章を生成できるAI技術のことを指します。ChatGPTやGoogleのBardなどが代表例です。これらのツールは、ユーザーの質問に対して直接回答を提供するため、従来のように「検索結果からウェブサイトをクリックして情報を探す」という行動パターンが変化する可能性があります。
しかし、AIが情報を生成する際も、その根拠となるのは既存のウェブコンテンツです。つまり、質の高い情報がウェブ上に存在しなければ、AIも正確で価値のある回答を提供することはできません。だからこそ、SEOの本質的な価値は決してなくならないのです。
SEOは本当に「終わった」のか?現状を正しく理解する
AI検索の普及と従来SEOへの影響
GoogleのSearch Generative Experience(SGE)やBingのAI検索機能を見ると、確かに検索結果の表示形式は大きく変わりつつあります。従来の「10個のリンク」ではなく、AIが生成した要約や直接的な回答が上位に表示されることが増えています。
例えば、「東京の美味しいラーメン店」と検索した場合、以前なら複数のサイトを比較検討する必要がありました。しかし今では、AIが複数の情報源から要約を作成し、おすすめの店舗リストを直接表示してくれます。
この変化により、「ウェブサイトへの流入が減るのではないか」という懸念が生まれているのは当然のことです。実際に、一部の業界では検索経由の流入数が減少傾向にあるという報告もあります。
しかし、情報源としての価値は不変
ただし、重要なポイントを見落としてはいけません。AIが回答を生成する際、その情報はどこから来るのでしょうか。答えは「ウェブ上に存在する既存のコンテンツ」です。
私たちが最近書いたブログ記事「北海道警の偽サイトが発見された件から見える、URLの”罠”と公式サイトの責任」では、ウェブサイトの信頼性について警鐘を鳴らしました。この記事が示すように、AIも信頼できない情報源からは学習しません。むしろ、権威性や信頼性の高い情報源を重視する傾向があります。
つまり、質の高いコンテンツを提供するウェブサイトは、AI時代においてより重要な存在になるのです。AIにとって「参考にしたい情報源」として認識されることで、間接的ではあっても大きな価値を生み出すことができます。
検索行動の多様化
また、すべての検索がAIで完結するわけではないという点も重要です。以下のような場面では、依然として従来型の検索結果が重視されます。
- 詳細な商品比較や購入を検討している場合
- 地域密着型のサービスを探している場合
- 専門的な技術情報や最新情報を求めている場合
- 企業の公式見解や正確な連絡先を確認したい場合
私たちらいふぼーとのお客様を例に取ると、地域の工務店様や士業の先生方などは、AIの要約だけでは決してお客様に選ばれることはありません。実際のサービス内容、料金体系、これまでの実績、お客様の声など、詳細な情報をしっかりと確認してからお問い合わせいただくケースがほとんどです。
LLM時代に必要なSEOの本質とは
E-E-A-Tの重要性がさらに増大
SEOの世界では、E-E-A-T(Experience:経験、Expertise:専門性、Authoritativeness:権威性、Trustworthiness:信頼性)という概念が重要視されています。LLM時代において、この重要性はさらに高まっています。
AIは大量の情報から学習しますが、その際に重視するのは「信頼できる情報源からの情報」です。つまり、専門性が高く、豊富な経験に基づき、権威性があり、信頼できるコンテンツこそが、AIにとって価値の高い学習データとなるのです。
具体例を挙げると、私たちが手がけた歯科医院様のウェブサイトでは、院長先生の20年以上の治療経験を基にした症例解説記事を数多く掲載しています。これらの記事は、一般的な歯科治療に関する情報サイトとは異なり、実際の治療経験に基づく具体的で実用的な内容となっています。
このような「一次情報」は、AIが参考にする価値の高いコンテンツとして認識されます。なぜなら、他では得られない独自の知見や経験が含まれているからです。
一次情報としての価値創出
LLM時代のSEOで最も重要なのは、「他にはない一次情報を提供すること」です。一次情報とは、以下のようなものを指します。
- 自社独自の研究結果やデータ
- 実際のお客様の事例や声
- 業界での豊富な経験に基づく知見
- オリジナルの手法やノウハウ
例えば、私たちらいふぼーとが開催したセミナー「ChatGPTで会社の魅力を引き出すコピーづくり」では、実際にAIツールを使って参加者の皆様と一緒にコピーを作成する実践的な内容を提供しました。このセミナーの内容や参加者からの反応、具体的な成果事例などは、まさに私たちだけが持つ一次情報です。
こうした情報をブログ記事やウェブサイトのコンテンツとして発信することで、AIにとって価値の高い学習データを提供できます。同時に、実際にウェブサイトを訪れるユーザーにとっても、他では得られない貴重な情報となるのです。
コンテンツの文脈と意図の最適化
従来のSEOでは、特定のキーワードを意識したコンテンツ作成が重要でした。しかし、LLM時代では「文脈」や「検索意図」をより深く理解したコンテンツが重視されます。
AIは単にキーワードの出現頻度を見るのではなく、そのコンテンツが「なぜ作られたのか」「誰のために作られたのか」「どのような問題を解決しようとしているのか」を理解しようとします。
私たちが制作したある製造業のお客様のウェブサイトでは、製品カタログのような情報だけでなく、「なぜその製品が開発されたのか」「どのような課題を解決するために設計されたのか」といったストーリーを丁寧に紹介しています。
このようなアプローチにより、単なる製品情報を探しているユーザーだけでなく、業界の課題解決方法を探している潜在的なお客様にも価値を提供できるコンテンツになっています。AIもこうした包括的で文脈の豊かなコンテンツを高く評価する傾向があります。
AIと共創する新しいコンテンツ戦略
ChatGPTを活用したコンテンツ制作の実践
私たちらいふぼーとでは、AIを「脅威」ではなく「強力なパートナー」として活用することを推奨しています。実際に、ChatGPTなどのAIツールを適切に活用することで、コンテンツ制作の効率と質を大幅に向上させることが可能です。
具体的な活用方法をご紹介しましょう。まず、ブログ記事のテーマ選定段階では、AIに業界のトレンドやよくある質問を分析してもらい、読者の関心が高いトピックを洗い出します。
例えば、私たちのお客様である建設会社様の場合、「住宅リフォームを検討している人がよく持つ疑問」についてChatGPTに質問したところ、以下のような回答が得られました。
- リフォーム費用の相場と内訳
- 工事期間中の生活への影響
- 信頼できる業者の選び方
- 補助金や助成金の活用方法
- 築年数別のリフォーム優先順位
これらの情報を基に、実際の施工事例や費用実績を交えたオリジナルコンテンツを作成することで、AIの分析力と人間の経験を組み合わせた価値の高い記事を効率的に制作できます。
AIによる下書き作成と人間による洗練
次に、記事の構成や下書き作成でもAIを活用します。ただし、重要なのは「AIが作成した内容をそのまま使用するのではなく、必ず人間が洗練させる」ことです。
AIは一般的な情報や基本的な構成は得意ですが、企業独自の価値観や体験談、具体的な事例などは提供できません。これらの「人間味」や「個性」を加えることで、AIでは作れない価値の高いコンテンツが完成します。
例えば、私たちが制作したカラーセラピストのお客様のブログ記事では、AIに「カラーセラピーの基本的な効果」について下書きを作成してもらい、そこに実際のセッション事例やお客様の変化、セラピスト自身の経験談を追加しました。
結果として、一般的な情報だけでなく、実体験に基づく具体的で信頼性の高いコンテンツになり、検索エンジンからの流入だけでなく、実際のお問い合わせにもつながっています。
トピッククラスターの構築
LLM時代のSEO戦略では、単発の記事ではなく「トピッククラスター」の構築が重要です。トピッククラスターとは、特定のテーマについて網羅的かつ深掘りした複数の関連コンテンツをウェブサイト内に配置する手法です。
私たちが支援したある税理士事務所様では、「中小企業の税務対策」をメインテーマに、以下のようなクラスター構造を構築しました。
メイン記事(ピラーコンテンツ):「中小企業経営者が知っておくべき税務対策の基本」
関連記事(クラスターコンテンツ):
- 「設備投資時の節税方法と注意点」
- 「従業員給与の税務上の取り扱い」
- 「決算期変更のメリット・デメリット」
- 「税務調査への準備と対応方法」
- 「補助金・助成金の税務処理」
このような構造により、AIがそのサイトを「中小企業税務の専門性が高い信頼できる情報源」として認識しやすくなります。同時に、様々な角度から情報を求めるユーザーのニーズにも対応できる包括的なコンテンツ群となります。
らいふぼーとが提供するAI時代のウェブ戦略
技術基盤とセキュリティの重要性
AI時代においても、ウェブサイトの技術基盤は極めて重要です。私たちらいふぼーとでは、すべてのプラン(セルフプラン、ミニマムプラン、スタンダードプラン)でスマートフォン対応と高速表示を標準装備としています。
これらの技術的要素は、AI検索においても重要な評価要素となります。表示速度が遅いサイトや、モバイル対応が不十分なサイトは、AIからも低く評価される傾向があります。
特にセキュリティ面では、先ほど触れた「北海道警の偽サイト事件」のように、信頼性の低いサイトは大きなリスクを抱えています。私たちが提供する月額5,500円からの保守サービスでは、SSL証明書の管理、WordPressのアップデート、セキュリティ対策を継続的に行い、お客様のウェブサイトが常に信頼できる状態を維持できるよう支援しています。
AIは技術的な信頼性も評価基準の一つとするため、こうした基盤整備は決して軽視できない要素です。
コストパフォーマンスを重視したAI活用支援
中小企業の皆様にとって、新しい技術の導入は常にコストとの兼ね合いが課題となります。私たちらいふぼーとでは、「予算をかけずWebでのプロモーションができるよう、基本的に無料のソフトウェア群を使用し、お客様のご負担を軽くするご提案」を基本方針としています。
WordPressを基盤としたウェブサイト構築により、AI関連のツールやプラグインを導入する際も、大幅なコスト増加なく対応が可能です。例えば、ChatGPTのAPIを活用したお問い合わせフォームの自動応答機能や、AIによるSEO分析ツールの導入なども、既存のWordPressサイトであれば比較的容易に実現できます。
段階的なAI導入アプローチ
私たちは、お客様の状況に応じた段階的なAI導入をご提案しています。
第1段階:基本的なAI活用
- ChatGPTを使ったコンテンツ企画・下書き作成
- AI分析ツールによる競合サイト調査
- 基本的なSEO最適化
第2段階:中級的なAI活用
- 構造化データの実装
- AIチャットボットの導入
- 自動化されたコンテンツ更新システム
第3段階:高度なAI活用
- 個人最適化されたコンテンツ表示
- 予測分析に基づくマーケティング施策
- 多言語対応の自動化
この段階的アプローチにより、お客様は無理なく最新技術を導入し、その効果を実感しながら次のステップに進むことができます。
地域密着型サービスの強み
名古屋市守山区を拠点とする私たちの強みは、地域のお客様との密接な関係性です。AI時代においても、この「人と人とのつながり」は決して代替できない価値です。
地域の商工会議所や青年会議所での活動を通じて、私たちは常に地域ビジネスの課題やニーズを肌で感じています。AIツールの導入支援も、単なる技術的なサポートではなく、それぞれの業種や地域特性を理解した上での実践的なアドバイスを提供できます。
例えば、地域の製造業様であれば、BtoBマーケティングにおけるAI活用方法を、飲食店様であれば地域SEOとAI検索の最適化方法を、それぞれの業界特性に合わせてご提案しています。
未来を見据えたウェブサイト戦略
AIエージェント時代への備え
私たちが参加した「AIエージェント元年」Google Cloud Next Tokyo ’25では、AIが単なる検索ツールから、より高度な「エージェント」として進化していく方向性が示されました。
AIエージェントとは、ユーザーの代わりに情報収集、分析、判断、実行までを行うAIシステムのことです。例えば、「来月の出張に最適なホテルを予約して」と依頼すれば、AIが条件を分析し、複数のサイトを比較検討し、実際に予約まで完了してくれるような時代が到来しつつあります。
このような時代において、ウェブサイトはどのような価値を提供すべきでしょうか。私たちの考えでは、以下の要素がより重要になると予測しています。
APIとの連携能力
AIエージェントがウェブサイトの情報を活用しやすくするため、API(Application Programming Interface)での情報提供が重要になります。APIとは、プログラム同士が情報をやり取りするための仕組みのことです。
例えば、レストランのウェブサイトであれば、メニュー情報、営業時間、予約状況などをAPI経由で提供することで、AIエージェントが顧客の代わりに最適な店舗を選択し、予約まで行えるようになります。
私たちらいふぼーとでは、このようなAPIファースト(APIを中心とした設計思想)のウェブサイト構築についても、今後積極的に取り組んでいく予定です。
構造化された情報の重要性
AIエージェントが効率的に情報を理解できるよう、構造化データ(Schema.org)の実装がより重要になります。構造化データとは、ウェブページの内容を機械的に理解しやすい形式で記述する手法です。
例えば、イベント情報を掲載する場合、人間には「来月15日午後2時から商工会議所でセミナー開催」と書けば理解できますが、AIにとってはより明確な情報が必要です。構造化データを使用することで、「2025年10月15日14:00開始、名古屋商工会議所、セミナーイベント」といった具体的な情報をAIに伝えることができます。
ブランドとしての一貫性
AI時代においては、ウェブサイトを単独で考えるのではなく、「ブランド全体の一貫したメッセージ」として捉えることが重要です。
私たちが「パンフレット制作」サービスで目指している「WebとPaperの両軸から、お客様のビジネスを美しく的確に伝え、統一感のあるブランドづくり」は、まさにこの考え方に基づいています。
AIは複数の情報源から企業やブランドについて学習します。ウェブサイト、SNS、パンフレット、プレスリリースなど、すべての情報発信媒体で一貫したメッセージを発信することで、AIにとってより信頼性の高いブランドとして認識されるようになります。
まとめ:AIと共創する新時代のSEO
「SEOは終わったのか?」という問いに対する私たちの最終的な答えは、「SEOは終わらない。むしろ、AIと共創することでより価値の高い存在になる」です。
LLM時代のSEOは、従来の「検索エンジンに見つけてもらう」だけの施策から、「AIに理解され、信頼され、活用される情報源になる」ための戦略へと進化しています。
この変化に対応するために重要なのは、以下の要素です。
質の高い一次情報の提供:他にはない独自の知見や経験を基にしたコンテンツ 技術的基盤の整備:高速表示、モバイル対応、セキュリティ対策 構造化された情報発信:AIが理解しやすい形でのコンテンツ構成 ブランド一貫性の確保:すべての媒体で統一されたメッセージ発信
私たちらいふぼーとは、これらの要素を包括的にサポートし、お客様のビジネスがAI時代においても持続的に成長できるよう、全力で支援してまいります。
「伝えたい」を「伝わるカタチ」に仕上げるという私たちの使命は、AI時代においてもまったく変わりません。むしろ、AIという新しいパートナーを得ることで、より効果的で価値の高いウェブサイト制作が可能になると確信しています。
お客様と一緒に「目的のあるウェブサイト」を創るパートナーとして、末永くお付き合いできれば幸いです。この大きな変革期を、共に楽しみ、共に成長していきましょう。
AIの力を最大限に活用し、お客様のウェブサイトを未来の検索環境において常に最適な状態に保つための「成功へのロードマップ」を、私たちと一緒に描いてみませんか。
LLM時代のSEO対策、AIを活用したコンテンツ戦略、ウェブサイトの新規開設やリニューアル、セキュリティ対策など、お客様のビジネスにおけるITに関するお悩みやご質問がございましたら、どうぞお気軽にらいふぼーとまでお問い合わせください。
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